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高齢者【親】のお金の管理問題を不安から安心に変える方法

2023.9.17 更新

加齢にともなって人間の判断力や思考力が低下して誤った判断をしてしまうことがあります。

 

そのような事が起こった時に考えるべきことの一つはお金の管理ではないでしょうか。

 

特に、親と離れて暮らす子どもにとっては、親のお金をどのように管理していけばよいのか、という問題は多くの方が共通して感じていることだと思います。

 

そこで今回は、高齢になった親のお金の管理方法についてご紹介します。


目次


1、なぜお金の管理が必要なのか

お金の管理は本来自分自身でするのが基本ですが、高齢になった親自身が管理することは難しくなることもあるでしょう。

 

そうすると子どもであったり第三者が管理していくことが重要になってきます。

 

‣詐欺や悪徳商法による被害の防止

 

高齢者をターゲットにした振り込め詐欺や訪問販売は今現在も発生しており、自身の親が被害にあう可能性もゼロではありません。

 

親以外の誰かが管理していることで、そうした詐欺や悪徳商法の被害にあいそうになっても未然に防げる可能性が高まります。

 

‣認知症の備え

 

現時点では心身ともに健康であったとしても、認知症の発症は誰でも起こりうることです。

 

認知症は少しずつ進行していきますので、親と離れて暮らしている場合、判断能力の低下に気付けないこともあるかもしれません。

 

今は健康であったとしても、認知症に備えて子どもや第三者がお金を管理しておくと安心です。

 

むしろ健康である今だからこその備えともいえるでしょう。

 

2、まずは資産等の確認をしましょう

加齢に伴う身体的な能力や判断力・思考力の低下は避けようがないことです。

 

これまで当たり前に一人で出来ていた手続きや管理に不安を覚える人も多くいらっしゃいます。

 

具体的な例を挙げると

  • 各種支払い
  • 賃貸借契約や火災保険契約の更新手続き等の契約管理
  • 年金や医療、介護サービス等の受給手続き
  • 確定申告手続き
  • 各種資産(預貯金、有価証券、不動産、貸金債権など)の管理

などが考えられます。

 

特に、一人暮らしで近くに親族がいない場合は、お金の管理を含めたこれらの手続きなどが不十分な状態で放置されているかもしれません。

 

まずは銀行預金支払い関係契約関係公的手続きが現状どのようになっているかを確認しておきましょう。

 

大切な書類が郵送で届くことも多いですが、郵便物を開封するのが面倒で未開封のまま新聞や広告の中に紛れ込んでいることもありますので注意が必要です。

 

3、高齢者(親)の事理弁識能力がある場合のお金の管理方法

それでは、お金の管理に関して具体的に利用をおすすめしたい制度ご紹介したいと思います。

 

まずはじめに「財産管理契約」です。

 

これは高齢者(親)が物事の判断能力(=事理弁識能力といいます)の低下はそれほど見られないが、身体的な理由でお金の管理が難しい場合に有効です。

 

財産管理契約というのは、

 

「委任者(親)が受任者(子ども、第三者等)に対して自分の財産の管理や処分に関する事項をゆだね、その事務処理を行ってもらうために必要な代理権を与える契約」を言います。

 

委任者が受任者に委任する事柄の内容も、委任者が自分の財産を管理してもらうために必要だと考える事項のすべてが委任の対象となります。

 

したがって、財産管理契約を結ぶ際に委任者と受任者が話し合って具体的な委任事項の内容を取り決めることになります。

 

日常の生活に必要な物品を購入したり、日常生活に必要な資金を委任者の預貯金口座から引き出したりすることを委任して、そのための代理権を与えることが一般的です。

 

委任者の生活状況によっては、委任者が住んでいる賃貸マンションの月々の賃料の支払いや委任者が賃貸している不動産についての月々の賃料の受領も委任事項になります。

 

場合によっては、委任者が所有している不動産などを売却してその代金を生活資金として管理することまでも委任の対象とすることも可能です。

 

子どもが受任者となり親子間で契約するのは少し違和感を感じるかもしれませんが、例えば親名義の預金を引き出す場面を考えると、子どもでは出金できない場合があるなど、たとえ親子であってもこの契約があるのと無いのとでは銀行の対応は全く異なります。

 

親が遠方に住んでいてなかなか行ける機会が少ない場合は、近隣の地域支援包括センターや、行政書士といった法律専門職が受任者となって契約してもらうことも可能です。

 

(参考記事:「財産管理委任契約」を活用すべき具体例などポイント解説

 

4、高齢者(親)の事理弁識能力がない場合のお金の管理方法

高齢者(親)が判断能力が不十分である認知症高齢者や知的障害者、精神障害者等である場合に利用できる制度として「成年後見制度」があります。

 

この制度を利用するためには親族等が家庭裁判所に対して申立てが必要です。

 

そして家庭裁判所の審判によって選任された成年後見人が本人の療養看護および財産管理に関する事務を行います。

 

(参考記事:認知症になった親の財産を守る方法・手続~法定後見制度~

 

 

5、まとめ

高齢者、特に親のお金の管理という問題はどこの家庭においても出てくる悩み事だと思います。

 

そうしたお困りごとを整理して解決すべき課題が見えてくることで、不安は安心へと変わっていきます。

 

また、家庭の事情は様々ですので、管理方法に全家庭共通の正解はありませんが、様々な選択肢がある中でも、ご本人やご家族にとってベストな形になるよう親子でお話しをされてみてはいかがでしょうか。

 

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当事務所は、京都市を中心に関西全域で、遺言書をはじめとする生前対策を支援している行政書士事務所です。

 

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親御さんのお金の管理について気になる方は、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。

 

ご相談予約は「下記フォーム」か「お電話」からお待ちしております。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

行政書士はやし行政法務事務所

代表行政書士 林 宏雄

 

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京都府行政書士会会員(第2655号)

 

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